セネルが思ったこと@
―シャーリーの羽根ペン―
「なぁシャーリー、シャーリーの羽根ペンって初期装備だよな」
セネルは前を歩いているシャーリーに尋ねた。
「どうしたのお兄ちゃん、そうだよ」
話しかけられて嬉しいのか、シャーリーは笑いながら答える。
「ってことは……初期では俺達より強かったはずだよな。
俺達が助けに行かなくたって一人で逃げ出せたんじゃ……」
「そ、そんなことないよお兄ちゃん!! 私一人じゃとてもじゃないけど逃げられなかったはずだよ。
ほら、それに私一人じゃなかったし!」
突然、核心を突かれたシャーリーは、ぎくりと顔を強張らせながら苦しい言い訳をし始めた。
確かにフェニモールも一緒に捕まっていたけど、初期攻撃力400は力強い。
セネルでも初期は2桁で確か50もなかった筈だ。
船の上の初めての戦闘、シャーリーの羽ペンを使っていたら一撃で終わってたんじゃと思うのは作者だけだろうか。
「俺らの苦労は一体……」
自分で話を振った癖に、なんだか損した気分になったセネルの気持ちはどんどん沈んでいく。
「お兄ちゃん、そんな事いわないで!! それにヒロインの私が話の途中で逃げたりしたら
ストーリーがなりたたなくなっちゃうよ!!」
「本当のヒロインはクロエだと言う声が多数……」
「ク……!?」
既に落ち込みモードのセネル。
しまいには体育座りのままゴロゴロと寝転がり始めた。
「あぁ、なんだか損したー」
「……………」
シャーリーはにっこりと笑う。
<ココからは音声だけでお楽しみください>
どごっ!《なんかが当たる音》
「ぐっ!」
ばこっ!《なんかがぶつかる音》
「のぁっ!!」
がしっ!《なにかを掴んだ音》
「がはっ!!!」
…
……
…………
「大変っ、お兄ちゃん大丈夫!? 誰がこんな酷い事を……待っててお兄ちゃん、すぐに病院に!!」
「メ、メルネス化…………(がく)」
セネルの意識、ブラックアウト。
―後書き―
ふと思ったんですよ、これ。
シャーリーの羽根ペン初期だと最強でしょ?
始めかっからこれ使ってたら良かったんですよ、どんな敵でも簡単ですよ、きっと。
さすがメルネスさん(爆)
UP時期:2006/3/8