節分:キルメル編

「鬼は外〜 福は内〜」

「クィッキークィッキー♪」

「………………」

 楽しげに豆をまくメルディとクィッキー。

「鬼は外〜 福は内〜」

「クィッキクィッキー♪」

「……………おい」

 メルディとクィッキーとは対照的に、
 不機嫌なキールの声がする。

「鬼は外〜 福は内〜」

「クィッキー!!」

「……メルディ、人の話をだな」

 いつもの窓際で本を読んでいたキールが、
 豆まきのかけ声をさえぎりながら発言する。

「今日は節分だな。豆まきは基本よぅ」

「クィッキー」

「いや、それに関して文句を言うつもりはない。僕が言いたいのは……」

 キールはパタンと本を閉じる。

「読書中の僕に向かって豆を投げるなっ!!」

 後片付けが大変だろう……とブツブツ愚痴り出すキール。
 そんなキールにメルディはなぜか得意げに胸を張る。

「ふふふ、そこんとこは抜かりなしよぅ。片付け簡単殻付ピーナッツ使用」

「クィッキー!!」

 誇らしげにピーナッツ(殻付)の入った袋を掲げるメルディ。
 クィッキーもつられて鳴く。

「ちゅ、注意点はそこじゃ……」

 読書を邪魔されたキールは頭に殻付ピーナッツを載せながらうな垂れた。




* * * * * * *
長々拍手に居座り続けた1作品。
津名の家では豆ではなくピーナッツなんですよねぇ……(笑)

UP時期:2006/4/6