ハローウィン 没@

話の分かれ目は、セネルがウィルの存在を思い出したあそこの場面から。
前半はほぼ同じなので略。





本編と似たり寄ったりと言う罠もあったり……(最悪)


* * * * * * * * * *

「そ、そういえばウィルの姿が見えないな。どうしたんだ?」

 仲いいな〜とかなんとか思いながら、セネルは始めから姿の見えないウィルの存在に疑問を感じる。
 そういえば、1回も出てきていない。

「あ、ウィルさんなら寝込んでるよ」

「寝込……どうしたんだ?」

「それがさっき話そうとしていた続きだ」

 クロエは苦笑交じりで話を続けた。
 簡潔にまとめるとこうだ。
 昨日魔物調査の為に1人で海岸に向かったウィルは、いつように時間を忘れてツイ調査に熱中。
 そこに珍しいタコエッグが通り、追いかけて不思議の国に迷いこんだ。
 ……らしい。

「って、んなわけあるかぃ」

 話の流れが変なので、セネルが突っ込む。

 確かに、明らか変だ。

「シャーリー違うだろう。隠蔽してどうする」

 いつの間にやら話し手がクロエからシャーリーにチェンジしていた。

「メルヘンにした方が読み手は飽きないと思って」

「ウィルにメルヘン要素はいらないと思うが」

 クロエが苦笑交じりで言う。
 セネルはブランコで有名な某アルプスアニメの
 オープニングみたいに笑いながらスキップしているウィルを想像してしまった。
 横にはヤギではなく嬉しそうに飛び跳ねているタコエッグだ。
 うぇ、と思わず吐き気がして口を押さえるセネル。

「何を想像しているんだ、クーリッジ」

「いや、少しメルヘンにし過ぎただけだ」

 少しではないだろう、かなり気持ちが悪い。

「ウィルさんは疲労で寝込んでいるんですよ」

「疲労?」

 いつの間に静かになっていたのか、ジェイが口を出す。

「疲労もあるが、1番の原因はアレだろうな」

「そうですね、アレでしょう」

 クロエとジェイが頷きながら言う。
 書かないと分からないので一応言うが、セネルを除いて皆、頷いていた。

「アレ?」

 1人だけ、意味の分からないのは何だか気持ちが悪い。
 セネルは、皆が続きを言うのを待ってみた。

「ウィルの家には、ドラゴンだかの骨格標本が天井に吊ってあるだろう?」

「あぁ、あのでっかい標本か、隣の部屋にある……」

 ウィルの家にはそれはそれは立派な、竜みたいな生き物の骨格標本が
 有名な某恐竜映画顔負けのスケールで吊ってあるのだ。

「ま、まさか……」

「そう、そのまさかだ」

 事の発端は、ギートが暴れた為なのだ。
 ギートが暴れて、家が揺れたので、どうやら骨格標本が落ちてきたらしい。

「でもさ、あれって確か地震の揺れにはビクともしなかったハズだよな?」

「どうやら、長年吊っていた為か金具が老化していたらしい」

「私もさっき聞いたんだけどさ〜 本当に凄いよ、色んな意味で」

 セネルを迎えに行っていたノーマは一足先に説明を受けていたらしい。
 ノーマは隣の部屋に続くドアに手をかけて、開けた。

「セネル君遅い! ハティずっと待ってたのに」

「ハ、ハリエット」

 ドアの向こうには、せかせかと動きながら標本を片付けているハティがいた。
 骨格標本は見事に粉々だった。

「パパはショックで倒れちゃうし、モーゼス君は手伝ってくれないし。
 飼い主なんだからちゃんと手伝ってよ!!」

「締め出されてては手伝えん、今手伝っちょる」

 粉々になった骨を避けながら、モーゼスは身近にあった骨の塊をひょいと担いだ。

「これは、見事に粉々だな……」

「だろう? 凄い音だったからな」

 骨を拾うため、中腰になりながらクロエが言う。
 それにつられて、セネルも中腰になると、骨を拾い始めた。

「セネル君、そこでちまちま拾ってないで大きいのを運ぶ!!」

「りょ、了解」

 ハリエットに一喝されてセネルは立ち上がると、大きい塊を掴んだ。
 どうやらパーティはお流れになりそうだ。(←結構嬉しそう)





〜後書き〜
TOL ハローウィン 〜これもあなたの為なのよ〜
没エピソード@

ちょっとエンディングが本編とは違うだけなんですが。
当初は、何だか骨が落ちて大掃除。と言うオチだったんですが、あまりにアレだったので変更。
まぁ、どっちもどっちかも知れませんが……
絶対掃除した後は皆で骨をくっつける作業とかがあったるするんですよ!!

本編のラストは津名的には良いなと思ったりしてます。
モーゼス対タコエッグ!!
想像したら楽しいじゃないですか!!(Σ津名だけ)

では、ここまで読んでくださりありがとうございました!

UP時期:2006/2/15